ここでいう「観察」とは
観察は、評価とは違います。どれだけ上手にできたかを採点するのではなく、どんなふうに取り組んでいるかに目を向けます。ぐらぐらする塔を40分かけて作り、一つひとつの部屋についてお話ししてくれる。その姿には、たとえ塔が倒れてしまっても、大切な手がかりがあります。
注目したい5つの姿
| 注目すること | たとえば、こんな姿 |
|---|---|
| 夢中になる | 時間を忘れる、周りのことが気にならなくなる、まだやめたくないと言う |
| 粘り強く取り組む | うまくいかなくてももう一度試す、やり方を少し変えてみる |
| 問いを持つ | 「なぜ?」「どうやって?」「もしこうしたら?」と尋ねる。同じ話題について繰り返し質問することも |
| 自分から始める | 言われなくても、自分で取りかかる |
| 人に伝える | 親やきょうだいに説明する、できたことを見せたがる |
10秒でできるメモ
活動が終わったら、3つだけ記録しましょう。それだけで十分です。
- 何をしたか:「紙で橋を作る遊び」など。
- どのくらい夢中だったか:「少し試した」「じっくり取り組んだ」「目を輝かせて夢中になった」など。
- 印象に残ったことを1つ:子どもの言葉や行動。「橋の下に支えを何度も足していた」など。
翌朝、自分から描きかけの絵の続きを始める。そんな静かな場面もメモしてみましょう。「自分からまた取り組んだ」は、その子の興味を知るうえで、特に大切な手がかりです。
記録から傾向を読み取る
1か月ほどたったら、メモを振り返ってみましょう。「目を輝かせて夢中になった」が何度も出てくるのは、どんな遊びでしょうか。声をかけなくても、また取り組んだものはありますか。反対に、メモがまったくない分野はありますか。記録がないのは、多くの場合「興味がない」からではなく、「まだ触れる機会がなかった」からです。
| 見えてきた傾向 | 考えられること | 次に試すこと |
|---|---|---|
| 同じ分野で、何度も目を輝かせている | 興味が育っているのかもしれません | 少し難しいものや、もう少し長く取り組めるものを用意する |
| 一度は夢中になったけれど、その後は続かない | 新鮮さにひかれた、または、そのときの気分や状況に合っていたのかもしれません | 数週間後にもう一度試す |
| いろいろな分野に、ほどほどに取り組んでいる | 幅広く試すことを楽しんでいるのかもしれません | 引き続きいろいろな機会を用意し、じっくり取り組むことは焦らない |
| メモがない分野がある | まだ触れる機会がなかったのかもしれません | 来週の遊びに取り入れる |
このメモは、興味や取り組み方を記録するものです。知能を測ったり、将来を予測したりするものではありません。「この子はこういうタイプ」と決めつけるためにも使わないでください。
ほかの大人の気づきも聞いてみる
学校、祖父母と過ごす時間、習い事など、子どもは場面によって違う姿を見せます。ほかの大人からの「今日は、みんなで遊ぶときに中心になって進めていました」といった短いメモが、家庭では見えにくいよさに気づくきっかけになることもあります。